【第7話】22歳コミュ障男がYouTuberデビュー!?

僕の人生で
圧倒的に足りなかったのは
”実際に話す”という経験だった。

コミュ障ゆえの場数の足りなさだ。

元コミュ障起業家のTさんは、
「話す練習をしたいなら実際にYouTubeで喋ってみるのがいい」
と言っていた。

人前でいきなり話すのは難しいから
パソコンの画面に向かって喋ってみるのだ。

喋る内容は最初は何でもOK。
その日食べた晩御飯の話でもいいし、
今週のジャンプの感想でもいい。

それを録音(録画)して、
YouTubeに投稿してみると。

要は『一人プレゼン』みたいなかんじかな。

Tさんもこの方法で
徐々に話すことに慣れていったらしい。

 

この方法を聞いたとき。
「いや、YouTubeに動画投稿するとか無理ゲーだろ」
と最初は思った。

コミュ障がYouTubeで喋るなんて、
ハードルが高すぎる。。恥ずすぎる。。

そうやって最初は
無意識に拒否反応を示してしまった。

 

でも冷静に考えてみてほしい。

誰がパっと出のチャンネル登録者0人の
なんだかよくわからない動画を見るだろうか?

星の数ほど大量の動画がある中で
いったい誰がその動画を見つけるだろうか?

もちろん限りなく可能性は0に等しい。
あるとしても0.0000001%くらい。

それなのに動画を撮るのが恥ずかしいとか、
知り合いに見られたらどうしようとか、
自意識過剰もいいところだ。

どうせ誰も気にもとめない。

 

まあていうか、そもそも僕は知らなかったんだけど
YouTubeには「動画を非公開にする」っていう設定があるので
それにしとけば100%他人に見られる心配はなくなる。

だから、この方法は話す練習としては
本当にかなりおすすめな方法だ。

ちなみにあえてYouTubeに投稿する理由は
ちょっとでも”人の目”を意識することで
より本番に近い状況を想定できるため。

 

そしてようやく、ようやく重い腰を上げて
僕はYouTubeに動画を撮ってみることにした。

「うわ、一人で喋るだけなのにくっそ緊張する(((;゚Д゚)))」

「やっぱりだめだ…。やりたくねえ・・」

「うおーーもうやけくそだ。どうにでもなれえええ」

死ぬほど葛藤しながら、
僕はPC画面に向かってプレゼンをした。

テーマは適当に
『ゴキブリの生態』みたいなかんじググって、
それをメモ帳にまとめておいた。

 

(録音ボタン、スタート。ぽちっ)

 

「あ、今日はゴキブリの生態について話してみたいと思います(震え声)」

「あ、え~っと、、」

・・・沈黙。

そこから先が続かなかった。

 

話したいことを事前に決めておいても
いざ話し始めると言葉が出てこない。

しかも普通に声が震える。

 

その後何度かチャレンジしてみたが、
最初の一言から先が続かなかった。

【あ・今・日・は・ゴ・キ・ブ・リ・の・生・態・に・つ・い・て・話・し・て・み・た・い・と・思・い・ま・す】

最初の”あ”を入れても、たったの27文字だ。

僕は27文字を話すだけで精いっぱいだった。苦笑

当然、落ち込んだ。
ここまで話す力がないものかと。

 

その後、Take8くらいまで撮り直して、
ようやく再生時間1分間ほどの
自信なそうにコミュ障が喋るゴミ動画が完成した。

そして体中の全細胞が反発するのを押し切って、
その1分間のゴミ動画をYouTubeに投稿した。

「俺がYouTubeに動画投稿してしまった。。」

なんだかワケのわからない感情になって
もちろん後悔する気持ちも大きかったけど、
不思議と『やってやった』という達成感もあった。

ここまでで何時間だろう。
一分間の喋るだけの動画を撮るのに
2時間か3時間はかかった。

マラソンを走り切った後のように
全身から力が抜けて疲弊した。

 

ただ、これは今だから言えることだが、

当時僕が思っていたよりもずっと、
この日踏み出すことができた『第一歩』は
本当に本当に意味のある大きな一歩だった。

 

その日を境に、
僕は毎日動画を撮るということをやった。

1~2分のゴミプレゼン動画を撮る
→YouTubeに投稿。

ひたすらこれを繰り返した。

相変わらずうまく話せなかったし、
何百回動画を撮り直したかもわからない。

けどやった。
やること自体に意味があった。

 

そして3ヶ月ほどが過ぎた頃、ある変化が起きた。

なんと僕が投稿した動画にコメントが来たのだ。

特に人に見せるために撮っていたわけでもないが、
自分にプレッシャーをかけるため動画を公開にしていた。

 

「すごくタメになりました!
また次の動画も楽しみにしています!」

 

正直、目を疑った。

なんとコメントには、
僕の動画を見て「タメになった」という
まさかまさかの褒め言葉が書いてあった。

「ま、まじか。コミュ障と言われ続けてきたこんな自分が、人の役に立つ喋りをできるなんて」

 

この頃僕がどんな動画を撮っていたかというと、
会話術、コミュニケーション、ビジネスの学んだ知識、エピソードトークなど、

自分に関係の深いテーマで
その内容を自分に話すつもりで動画にしていた。

3ヶ月間ひたすらプレゼンを続けたことによって
かなり”話せる”ようになったという手ごたえはあった。

 

この一件が自信となり、
それからもどんどん成長を重ねていった。

どもりや声が震えることはなくなり
ハキハキと喋れるようになったし

単純に本を読んだことで知識量が増えたから
台本ナシで色々なことを話せるようになった。

自分で言うのも難だが、
かなり話すのが上手くなったと思う。

 

そしてその効果は、
実生活の場でも発揮された。

大学4年ということもあり
卒論の中間発表が行なわれたのだが、

教授や準教授、同期の学生20人ほどを前にして
最初から最後まで自分でもビビるくらい
堂々としたプレゼンをすることができた。

こんなこと、3ヶ月前の自分からは考えられなかった。

コミュ障で人前に立つだけで
汗だくになっていたようなやつが、
もちろん多少の緊張はあったにしろ
完璧にプレゼンをこなしたのだ。

ふつーにテンション上がった。

 

さらに大学内の数少ない人間関係の中では、

「なんか声大きくなったよな」
「ハキハキ喋るようになったよね」

と、僕の変化ぶりに驚かれるほどだった。

きっと”話し慣れ”したことが
雰囲気に表れていたのだと思う。

一人プレゼンの積み重ねが
自信となって、
昔よりも、ずっと何倍もうまく喋れるようになったことが嬉しかった。

 

その後、僕がどうなっていって
現在どのような活動をしているかについては
次の最終話で詳しく話したいと思う。

【最終話】コミュ障からの脱却。僕の現在

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です